【底流】巨人デュポン超えで見えた三菱ケミカルの“危機感” (1/4ページ)

2014.6.8 22:00

買収に合意し会見する三菱ケミカルHDの小林喜光社長(左)と大陽日酸の田辺信司社長。小林社長は石油化学からの脱却を急ぐ(コラージュ)

買収に合意し会見する三菱ケミカルHDの小林喜光社長(左)と大陽日酸の田辺信司社長。小林社長は石油化学からの脱却を急ぐ(コラージュ)【拡大】

 国内化学最大手の三菱ケミカルホールディングス(HD)が、金看板だった石油化学からの脱却を急いでいる。4月にヘルスケア関連の新会社を設立したのに続き、5月には1000億円を投じて、産業ガス大手の大陽日酸を株式公開買い付け(TOB)により年内に買収すると発表した。積極的な多角化とM&A(企業の合併・買収)により、日本の化学会社で初めて売上高は約4兆円を超え、化学大手世界9位の米デュポンを超える目算だ。ただ、矢継ぎ早な三菱ケミカルHDの事業改革は、小林喜光社長の“危機感”の表れでもある。

 危機感あらわ

 「原油を輸入して化学品を生産する時代はそろそろ終わる。ヘルスケアや新エネルギーなど付加価値の高い分野へ事業構造をシフトしなければ生き残れない」

 5月13日に開かれた大陽日酸買収の記者会見。小林社長は、経営環境への危機感をあらわにした。

 中国など新興国の化学メーカーによる生産過剰で、石化製品の世界的な需給バランスは崩壊した。エチレンやプロピレンなど石化産業の原料となる基礎化学品は採算の悪化が続き、作れば作るほど赤字幅が拡大する状況だ。

「韓国や米国と比べ、日本のエネルギーコストは3倍高い」

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