電力小売り参入を見据えるソフトバンクは18日、2018~20年に電力会社から送配電部門を分離する電力システム改革の「発送電分離」について、持ち株会社傘下の分社化ではなく、完全に別会社にするよう国に求める方針を明らかにした。孫正義社長は「大手電力10社が保有する全国の送配電網がフェアに開放されなければ、新電力は価格勝負できない」と訴える。
発電子会社のSBエナジーなどが大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を着々と進め、これまでに明らかにした計画のみで18カ所。このうち12カ所が既に稼働している。今年1月には、太陽光で発電した電気を主力として小売り事業に参入する方針を固め、今春にも企業向けに販売する予定だった。
しかし太陽光は天候による出力変動が大きく、送配電網に影響が出るとして電力会社が系統接続を拒む問題が起きている。北海道電力は昨年、出力2000キロワット超の太陽光発電所について申し込みの4分の1の約40万キロワットまでしか受け入れないと表明。
ソフトバンクは電力小売り事業の参入延期を迫られ、当面は、企業向けの燃料電池事業を本格化して顧客を開拓する。孫社長は「いくら太陽光で電気を作っても送配電網につないでくれない。こんな国は日本だけだ」と批判する。