膨らむ原発安全対策費、1年前の1・5倍に 原発新基準施行1年 (1/2ページ)

2014.7.7 21:19

 新規制基準の施行から1年が経過し、原子力発電所を持たない沖縄電力を除く電力各社が原発の安全対策に投じる費用は、日本原子力発電を含む10社合計で約2兆2000億円に達した。地震や津波から原発を守る安全対策工事の強化を原子力規制委員会に求められ、1年前から約1・5倍に増加した。原発停止が長期化すれば安全対策費用はさらに膨らむ見通しだ。

 施行時の昨年7月時点で10社の安全対策費用は総額約1兆5000億円だった。だが、九州電力は今年4月、規制委が優先審査の対象とした川内原発1、2号機(鹿児島県)の海水ポンプを津波から守る防護壁の建設などのため、安全対策費用を1000億円上積みした。

 柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が審査中の東京電力も、事故時に放射性物質の流出を抑えるフィルター付き排気(ベント)設備の設置や火災対策の強化などを求められ、3200億円としてきた費用を4700億円に増額した。

 今年2月に浜岡原発4号機(静岡県)の審査を申請した中部電力も防護壁の建設や配管の補強工事などを進めた結果、安全費用は3000億円となり、昨年7月時点から倍増した。

 ある電力会社の首脳は安全投資について「再稼働すれば費用は回収できる。投資は惜しまない」と言い切る。ただ、火力燃料の増大で電力各社の経営は悪化し、東電をはじめ7社が電気料金の抜本値上げに踏み切った。北海道電力は再値上げの検討を表明している。再稼働が進まない限り、短期的な業績悪化は避けられない。

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