今週の主人公はフラメンコダンサーの永田健氏。慶応大卒業後に大和証券入社。本店営業部、国際営業部を経て、同社派遣で米コーネル大に経営学修士(MBA)留学。しかし、この留学が人生に本気で取り組む契機となり一大転換を迎えた。
意気揚々と乗り込んだ永田氏に突き付けられたのは痛烈な現実だった。周囲の学生は私費留学で、高額な授業料を回収するため、有名投資銀行に就職して地位と高い報酬を得るために、目をギラギラさせていた。過度な競争原理と拝金主義になじめない日々を過ごす。毎週末、授業が終わると逃げるように長距離バスに乗り、マンハッタンにあるフラメンコのスタジオに向かった。会社を辞めてスペインに行こう!と何度も決断し、思いとどまる。相談する友達もいなく、自問自答を繰り返した。
留学から1年たち、スペインに行って自分自身を鼓舞した。会社に辞表を提出し、留学費用を全額返済して、5年間の会社員生活に終止符を打った。
その後、フリーターをしながら資金を蓄え、本格的にフラメンコを学ぶためスペインのマドリードに渡る。約2年間の留学後に帰国し、アルバ舞踊団に所属。2008年に退団、稲田進氏に師事する傍らフリーとして活動を始める。13年、フラメンコ協会主催「第22回新人公演」にて20人の審査委員満票で奨励賞受賞という快挙を成し遂げた。
「後悔を残さないように生きる!」を信条としており、行動力は抜群だ。行動することで何かが変わり、次に進むべき道が見えてきたりするという。