大手商社が、水産資源確保と海外市場の開拓を加速している。三菱商事はチリでサケ養殖向けの海面養殖の権利を追加取得し、三井物産は子会社を通じて札幌中央卸売市場の大手水産卸売業者と組み、中国市場開拓に乗り出すことが明らかになった。世界的な和食ブームを背景に、魚消費はうなぎ上り。一方で世界的な漁獲規制の導入で、天然水産資源は頭打ちとなり争奪戦になっている。大手商社は養殖資源確保で日本向け安定供給を確保する一方、消費が拡大する欧米・アジアで販路開拓の次の一手を探っている。
水産資源では、チリのサケ養殖事業に各社が熱い視線を注ぐ。口火を切ったのは三菱商事で、2011年に現地の大手養殖事業会社のサルモネス・フンボルトを買収、同国の養殖事業に再参入した。このほど他社から海面養殖のライセンスを約8億5000万円で追加取得。水面利用の適地が限られる中で、今後もレンタルを自社権利に置き換えることで事業の安定性を図る。
三井物産も13年にチリの大手養殖事業者のマルチエキスポートと合弁会社を設立し、サケの養殖事業に参入。丸紅はアラスカの天然サケ加工事業に資本参加したのに続き、チリのサケ養殖事業への参画に関心を示している。