原発事故 風評被害回復に明暗 厳しいキノコ・水産物 (1/3ページ)

2014.4.6 07:02

 東京電力福島第1原発事故による放射性物質汚染の影響で発生した福島産農産物の風評被害。事故から3年が過ぎ、同じ福島産でも農産物によって明暗が出てきている。事故後に高い放射性物質が検出され、出荷停止したものは今も汚染のイメージがあるのか回復が難しいようだ。(平沢裕子)

 「百貨店での取引が昨年から再開されたんですよ」。3月半ば、福島県いわき市が東京都内で開催したメディア懇談会で、「とまとランドいわき」専務の元木寛さん(37)は笑顔を見せた。

 トマトは回復

 ハウスでのトマトやパプリカの栽培・加工・販売を手掛ける同社は原発事故直後から民間の検査機関に依頼し、農産物の放射性物質を検査。基準値超の放射性物質は検出されなかったが、取引先から出荷を断られ、平成23年は16トンのトマトを廃棄した。その後も基準値以下だったが、取引再開に至らなかった。しかし、諦めずに営業を続けた結果、昨年10月に取引が再開できたという。

 「実直な検査体制の確立と根強い営業活動が功を奏したのでは」と元木さん。事故後、インターネットでの販売を強化したこともあり、同社の現在の売り上げは事故前の105%と風評の影響を感じさせないまでに回復している。

しかし、市場での価格は事故前の6割程度

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