全国でチェーン展開しているビジネスホテルが、ブランド改革に取り組んでいる。景気回復や2020年東京五輪開催などを背景とした宿泊客の増加を商機と捉え、主要顧客を従来の国内の出張族からレジャー客や女性、訪日外国人旅行客まで広げようと懸命だ。都心のシティーホテルのような宴会場や高級飲食店を持たないビジネスホテルは、“脱ビジネス”をキーワードに内装や食事を充実させている。
ギャラリーを常設
「海外の方にもブランドを知ってもらうことへの期待は大きい」
羽田空港国際線旅客ターミナル内に9月30日開業する「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」(東京都大田区)。運営するロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの朝倉博行常務取締役は、同社が11年7月から展開する新機軸ブランド「THEシリーズ」の5番目となる「ザ 羽田」について、手応えを感じている。
THEシリーズでは、「従来のビジネスホテルとは一線を画し、洗練されたホテル」(朝倉常務)をコンセプトにアートを積極的に取り入れた。「ザ 羽田」では、313の全客室を飾る作品を公募し、ホテル内にギャラリーを常設するなど、若手芸術家を支援する。