翻訳会社の設立を発表したNTTドコモの栄藤稔執行役員(中央)ら=29日、東京都千代田区(米沢文撮影)【拡大】
NTTドコモと韓国の翻訳ソフトウエア開発会社のシストラン・インターナショナル、音声認識技術サービス会社のフュートレック(大阪市)は29日、翻訳事業会社を共同出資で設立することで合意したと発表した。訪日客相手のサービスや海外とのビジネスが活発化する中、世界最高レベルの機械翻訳技術によって「言葉の壁」を超えたいと考える個人・法人需要を取り込む。
3社は10月に新会社「みらい翻訳」を設立する。資本金は9億9000万円で、ドコモが51%を出資し、シストランが30%、フュートレックが19%を出す。ドコモの栄藤稔執行役員が社長に就任する予定。独立行政法人の情報通信研究機構とNTTからも技術支援を受け、日本語を軸とした多言語機械翻訳システムを開発する。
買い物や観光といった個人向け翻訳サービスを展開したいドコモを含む法人のほか、社内文書の翻訳や専門分野の同時通訳に活用したい法人に売り込む。東京五輪が開催される2020年に売上高100億円を目指す。
栄藤氏はこの日の記者会見で、「2020年までに日本語と英語、中国語、韓国語の間でストレスのないコミュニケーションができる環境を提供したい」と話した。