東京がアジアナンバーワンの国際金融センターの座を取り戻すことを目指し、日本証券業協会(日証協)などは10日、伊藤元重・東大大学院経済学研究科教授を座長とする有識者懇談会を開いた。
これまでは東京都や政府が提言してきたが、東京株式市場を支える証券業界としても、役割や課題について検討や整理を行うことが必要と判断し、懇談会の設置を決めた。
第1回となる今回は、ライバルの香港、シンガポール両市場の国際金融センターとしての取り組みについて、野村証券の寺口智之執行役員が説明。寺口執行役員は、東京市場の現状についても報告した。その後、委員から質問や提言があり、「日本で活躍しているファンドマネジャーが、シンガポール、香港へ既に流出している」などの声が挙がった。
資産運用などのビジネスについては「(日本市場は)単なる販売の場になっていて、運用の場になっていない」と指摘する委員もいた。日証協などは、今後も債権市場や海外プロモーションのあり方をテーマに計3回の懇談会を予定している。