付加価値の高いサービスを伴う「特定信書便」の規制緩和をめぐり、総務省は来年度に民間事業者の業務範囲を広げ、新たにA3サイズなどの取り扱いを認める方針だ。情報通信審議会郵政政策部会が4日、同省に答申する。平成15年に民間参入が認められて以来12年ぶりの緩和で市場拡大が見込まれる一方、郵便事業の赤字に悩む日本郵政からは「収益への影響は大きい」(西室泰三社長)と悲鳴が上がる。
特定信書便は、条件ごとに1号役務(大きいまたは重い信書)、2号役務(バイク便などの速達)、3号役務(レタックスや配送状況追跡など高いサービスを伴う信書)に区分される。
このうち1号役務で民間が扱えるサイズは長さ・幅・厚さの合計が「90センチ超」と大きく、ヤマト運輸や佐川急便などが「小さい書類を大きい入れ物で運ぶことになり、資源のムダも多い」と縮小を求めていた。
4日の答申では、大きさの条件をA3判に相当する「73センチ超」まで緩和するほか、3号役務でも「1千円超」と定めた最低料金を「800円超」に引き下げるよう求める。同省は来年の通常国会に信書便法などの改正案を提出、早ければ10月にも規制を緩和する。