2015年3月、日本経済や企業の未来を見据えた画期的な変革が起きる。経済産業省と東京証券取引所は、共同で「健康経営銘柄」の公表をスタートする。
「健康経営」とは従業員やスタッフの健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することだ。企業理念に基づいて、従業員やスタッフの健康増進に投資を行うことは、働く人たちの活力や生産性を向上させ、組織全体の活性化を促し、結果的に業績向上や株価上昇につながることが期待できる。
14年11月から東証上場の約3500社すべてを対象に、約80項目におよぶ詳細な「従業員の健康に関する取り組みについての調査」が実施されている。この調査結果を基に全33業種ごとに1社、「健康経営」を実践している企業を「健康経営銘柄」として選定する。
評価に際しては「健康経営」が、(1)経営理念・方針に位置づけられているか(2)取り組むための組織体制が構築されているか(3)取り組みを評価し改善に取り組んでいるか(4)法令を順守しているか-がポイントとなる。
これまで日本では、健康が経済的・経営的な視点から捉えられておらず総合的に判断可能な客観的指標も存在しなかった。
しかし、国内外の個別調査では、従業員の心身の健康が企業の業績や株価に大きな影響を及ぼすことを示す事例も散見されていた。