自動車部品大手のタカタは5日、今3月期の連結業績予想を下方修正し、最終赤字額を従来予想より60億円多い310億円に拡大した。世界で拡大した欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で追加の特別損失を計上したためだが、事故原因の調査が難航するなか、自動車メーカーも他の部品メーカーとの取引を拡大するなど「タカタ離れ」が徐々に進んでいる。
タカタはリコール対応費用として4~9月期までに引当金を計476億円計上していたが、10~12月期にも約30億円積み増したことで特別損失が増加した。
自動車メーカーは原因が特定された車種が対象の正式リコールに加え、原因究明や事故予防のための自主的な調査リコールを各地で実施しており、対象は全世界で計2千万台を超えた。
だが、タカタが昨年度以降に計上した引当金は約950万台分に留まり、大半は正式リコールが対象。今回積み増した分にも調査リコールは含まれない。
リコール台数の拡大で「必要額の見積もりが難しい」(広報)ためだが、調査でタカタの過失が確定すれば修理費用を立て替えた自動車メーカーから巨額の請求を受ける恐れがある。