会議室ではなく、作業デスクと丸テーブルを隣接するなど、気軽に会話ができる工夫でコミュニケーションは円滑になる【拡大】
□エレクトリフィケーションコンサルティング代表・和田憲一郎
何か問題が起こったとき、原因としてコミュニケーションが足りないとよく言われる。しかし、コミュニケーションはどこまでやれば十分で、どれくらいならば足りないかといわれると、その判断は難しい。えてして、こうなっているハズじゃなかったのかと思うとき、トラブルが発生する。あのとき確認しておけばよかったと思ってもあとの祭りである。
さて、過去に急にコミュニケーションが良くなったことがあるのではないだろうか。筆者も、偶然かもしれないが、ちょっとしたことで劇的に良くなった経験がある。今回はそれについて述べたい。
◆小道具が効果を発揮
それは机のレイアウト変更があったときに生じた。従来、責任者と数人の担当者の机は分かれてレイアウトしていたが、あるとき、席のレイアウトを変更しなければならないことが生じた。その際、筆者の机の前に、打合せ用のテーブル(全部で6人掛け)が、レイアウトの関係でここにしか置けないとのことで、置かれてしまったことがある。
最初、目の前に打ち合わせ用のテーブルがあり、騒がしいからちょっとうっとうしいと思った。しかし、その後、意外に効果があることに気がついたのである。
なぜなら、メンバーに対して何か相談ごとがあると、仕事を中断して、そのテーブルですぐに集まり話をすることができる。わざわざ会議室に行かなくても、5分、10分で十分事足りることも多い。また他部門から筆者に相談に来た時も、秘匿事項でない限り、そのテーブルで話を聞くことができ、それとなくメンバーも問題点を共有していた。