ビール上場3社の2014年12月期連結決算が12日、出そろった。キリンホールディングス(HD)が国内の販売不振で、大幅な減益となり、営業利益、経常利益、最終利益のすべてで、アサヒグループHDが、平成12年の連結決算公表以来初めてキリンを上回った。サッポロHDは、ビール類「極ZERO」の酒税追加納付116億円の影響で、最終利益が96%減となった。
キリンは昨年、ビール類の国内シェアを落としたことに加え、ブラジルでの販売競争激化などで、売上高が減少。これに伴って利益が大きく落ち込んだ。三宅占二社長は今期について「国内でのビール類シェアのダウントレンドを食い止めなくてはならない」と語り、利益面よりもまず、売上高の拡大を優先させる方針を示した。
アサヒは、売上高で3期連続、最終利益が14期連続で過去最高を更新するなど、昨年の消費税率引き上げや冷夏などの打撃がある中でも、安定しての成長を果たした。特にウイスキー事業は、NHKの連続テレビ小説「マッサン」効果で、大きく伸長した。
サッポロは追加納付した116億円のうち、115億円の返還請求を国税当局に行っているが、上條努社長は「返還は国税当局に委ねられており、返還の判断や時期については答えられない」とした。
◎ビール上場3社の2014年12月期連結業績
売上高 営業利益 最終利益
キリンHD 2兆1957(▲2.6) 1145(▲19.8) 323(▲62.2)
アサヒグループHD 1兆7854(4.2) 1283(9.2) 691(11.9)
サッポロHD 5187(1.7) 147(▲4.0) 3(▲96.4)
※単位は億円、増減率%。▲はマイナス