三菱商事は30日、民主化が進むミャンマーで製粉やコーヒーなど食品事業会社に参画すると発表した。総合食品や流通、不動産などを手がける複合企業のキャピタル・ダイヤモンド・スター・グループ(CDSG、ヤンゴン市)傘下の食品会社「ルビア」の株式を5月をめどに30%取得することで合意し、同国の投資委員会の認可を得た。
今後3年間で250億円を投じ、加工食品工場や物流機能を整備し、人口約5000万人強の同国の中間層を開拓する。
ルビアは製粉で約55%、砂糖などがセットになったインスタントコーヒーも約25%といずれも同国のシェアトップを握る。小麦原料の調達から小麦を使ったパンや麺類の製造への進出や流通まで一貫食品事業に乗り出し、原料の安定供給や安心・安全技術の導入に貢献する。英調査会社は2018年の同国の加工食品市場が14年比で75%増の31億7000万ドルと見込む。
また、将来の規制緩和を見据えて、コメの輸出や肥料事業などの農業関連事業への参入も検討している。
三菱商事はインドネシアでも現地財閥アルファーグループと組み、小麦調達から製パン、製菓事業、流通までの食の一貫事業を構築中で、ミャンマーはこれに続く。