【遊技産業の視点 Weekly View】崩壊し始めたビジネスモデル (2/2ページ)

2015.5.2 05:00

 からくりはこうである。繁盛店は新品の機械をメーカーから大量に買う。しかし40万円もの高額な遊技機を大量に買っていたのでは繁盛店といえども利益は残らない。だが、使用した台を中小ホールが3~7割で買い取ってくれるとなるとどうだろう。遊技台の購入費と売却益を相殺すると、約半額で購入している計算になる。だから繁盛店は高額な新台を購入し続けることができるのである。では、使用した台を購入してくれる中小ホールが減ってくるとどうなるのか。買い手市場になり、売却金額が下がり、以前ほどの売却益を見込めなくなる。従って、連鎖的に繁盛店の遊技台単価は高騰し、従来のように大量の新台を買えなくなり、メーカーは販売台数が減り、経営を圧迫するという構図が出来上がる。

 老舗パチンコメーカーの民事再生や破産と聞くと大きな話に捉えられがちだが、実は私たちの町の小さなパチンコホールが消えていっている事実が「ことの発端」にある。20兆円産業の歯車が微妙に狂いだしているのだ。

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【プロフィル】天野竜児

 あまの・りゅうじ 1972年大阪生まれ。近畿大学理工学部卒業。98年、経営コンサルタント会社アマノコーポレーションを設立し、現在に至る。日本メンタルヘルス協会で2年間心理学を学ぶなど、学問への好奇心は現在も旺盛。趣味は読書と旅行。

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