大手ビール各社は、ビール類の最需要期である夏場に向け、直営の期間限定ビアガーデンの強化に乗り出している。昨年よりも約1カ月早くオープンしたほか、店舗数も増やす。今夏から本格化するビール類の酒税改正の議論では、ビールの税率が引き下げられる方向。ビールの販売比率拡大が予想されることから、各社ともブランド強化に向け、ビアガーデンを最大限に活用する考えだ。
直営の期間限定ビアガーデンでは、サントリービールが東京・六本木で「ザ・プレミアム・モルツ フェスト」を、サッポロビールが同・大手町で「パーフェクト黒ラベルビヤガーデン」をそれぞれ1日にオープンした。サントリーが昨年よりも20日早く、サッポロは約1カ月前倒しした。キリンビールも、同・渋谷で展開している「一番搾りガーデン」を昨年よりも1カ月早い4月中旬に始めた。
また、昨年までは東京だけだった店舗も全国に広がる。サッポロは6月下旬に大阪・梅田に店舗を開くほか、サントリーは全国の10都市に増やす。
各社が期間限定ビアガーデンに注力するのは、今年の最重要策にビールブランドの強化を掲げているからだ。キリンは「当社のブランドイメージを握る『一番搾り』を今年は前年比6%増加させる」(布施孝之社長)方針。サッポロも「『黒ラベル』の大幅なリニューアルで攻勢をかける」(時松浩取締役)と意気込んでいる。