傘下メーカーの不正会計で巨額の損失が生じる見通しとなり、記者会見するLIXILグループの藤森義明社長=3日午後、東京都千代田区【拡大】
住宅設備最大手のLIXIL(リクシル)グループは3日、中国で住宅の水回り設備を手掛ける子会社の破産手続きに伴い、2014年3月期から今期(16年3月期)までの3年間で、最大約662億円の損失が発生すると発表した。国内外でのM&A(企業の合併・買収)で急拡大してきた同社は思わぬ落とし穴にはまった格好で、M&Aだけでなく、中国ビジネスの難しさも浮き彫りにしている。
破産手続きに入ったのは、中国で水栓金具や衛生陶器の製造・販売を行う「ジョウユウ」。昨年、約4000億円で買収した独水栓金具大手「グローエ」の傘下にある。
今年4月の外部からの指摘で、中国系の創業一族による不正な会計処理と巨額の簿外債務の存在が発覚。調査の結果、経営破綻が不可避となった。リクシルは創業者らへの法的措置も検討している。
リクシルの損失の内訳は、ジョウユウの株式価値毀損(きそん)で約320億円、同社の借金肩代わり(債務保証)で最大330億円。このほか、今回の調査費用も計上する。