不適切会計問題で揺れる東芝の株主総会が25日、開催される。田中久雄社長が現状を直接説明するほか、9月に開く臨時株主総会まで暫定的に現経営陣が続投することを提案する。一連の問題では発覚から1カ月以上、会見を開かず、深夜に減額修正の見通しを発表するなどの情報開示姿勢に投資家の不信感が高まっており、株主から経営陣の責任を厳しく問う声が出そうだ。
「進(しん)捗(ちょく)や修正額を適時開示するよう再三お願いしている」と語るのは日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者(CEO)だ。4月3日に不適切会計問題が発覚して以降、東芝の情報開示は混乱が続いている。
問題発覚から1カ月後の5月8日に平成27年3月期の業績見通しを取り下げ、期末無配を発表。5月13日に決算の減額修正見通しを発表したが、時間は深夜の午後11時45分だった。
そして、5月15日の第三者委員会の委員選任の公表は午後6時45分、6月12日の社内調査の発表も午後8時30分と遅かった。適時開示は午後5時までが一般的だが、東芝の対応はスピード感に欠ける。田中社長が初めて記者会見に臨んだのも問題発覚から1カ月後の5月15日だった。
市場関係者の間では「都合の悪い情報が多く、開示に後ろ向き」と指摘する声も多いが、東芝の関係者は「社内調整で時間がかかっている」と否定する。
総会で株主が納得する説明責任を果たせるか、経営陣の対応が注目される。