東芝の不適切会計問題で過大に計上した連結営業利益の総額が、現在判明している548億円から、1500億円規模に膨らむ見通しであることが4日、わかった。インフラ関連工事に加え、新たにテレビ、半導体、パソコンの各事業でも不適切な会計処理があったもようだ。
連結営業利益の過大計上により、平成22年3月期~26年3月期の決算をさかのぼって減額修正する見込み。これまでの修正額で判明しているのは、次世代電力計「スマートメーター」用通信システムなどインフラ関連工事が中心だった。
5月に設置した第三者委員会がインフラ関係に加え、他の3分野についても調査中だが、不適切処理の具体的な事例が出てきているもようだ。
テレビ事業では、請求が遅れた販促費を経費に計上せずに先送りした問題などが浮上。半導体では在庫評価で、コストが増えたのに期初の見積もりを据え置いたりして、利益の過大計上につながった可能性が指摘されている。パソコンでは、製造を委託している海外の会社に部品を販売して得た利益を適切に計上していなかったようだ。それぞれ数百億円の営業利益の過大計上があった公算が大きい。
証券取引等監視委員会は2月、東芝関係者からの通報を端緒に同社を検査。今後は東芝側の会計問題の調査結果報告を受けた上で、金融商品取引法に基づく金融庁への勧告が必要かどうかを調べる。