■幅広い年代が支持
バンダイがアニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル(ガンプラ)を発売して今年で35周年。ガンプラシリーズは子供から大人までをとりこにし、2015年3月末までに累計約4億4500万個を売り上げた。これまでの常識を覆すアニメの世界観とメーカーの思いが重なり、ヒット商品となった。
スケールの概念
ガンプラが登場したのは1980年。アニメが初めて放送された翌年に商品化された。ロボットアニメがプラモデルになることは以前にもあったが、なぜガンプラがここまでヒットしたのか。その理由の一つを、ホビー事業部マーケティングチームの柿谷太一朗マネージャーは「ガンプラはスケール(縮尺)の概念を持ち込んだ」と説明する。
それまでロボットアニメを題材にした玩具やプラモデルに、縮尺の概念はあまりなかった。これに対しガンプラは「60分の1」「100分の1」「144分の1」という3つのスケールを基本とする。
これらの縮尺は戦闘機や戦車などのプラモデルにもよく使われる「国際スケール」で、ガンプラを「本物の兵器のプラモデルのような存在にした」(柿谷氏)。木や川といった自然も含めて戦場を再現するジオラマの中にガンプラを置くことも、戦車など他のプラモデルと同じ国際スケールだからこそ作りやすかったのだ。