生産能力の増強を予定する三井化学のPPコンパウンド工場=米オハイオ州【拡大】
東ソーは24日、30年ぶりとなる3カ年の中期経営計画を発表し、成長投資を倍増させる方針を明らかにした。この日は三井化学も経営説明会を行い、最終年度に入った中計について、成長投資を230億円積み増す方針を示した。原油安による原料価格の低下で業績が上向くなか、両社とも積極投資にかじを切り、収益性の高い機能商品に経営資源を集中投入する構えだ。
東ソーは、中計最終年度となる2018年度の連結営業利益を、850億円と15年度実績に比べて150億円程度増やす。売上高については、円高や原料価格の下落に伴う販売価格の落ち込みもあり、7500億円とほぼ横ばいに設定した。
期間中に直近3年間の約2倍となる1600億円を投資し、うち300億円をM&A(企業の合併・買収)に振り向ける。自動車の排ガス触媒に使う「ハイシリカゼオライト」や、歯科材料「ジルコニア」の生産能力を増強。「汎用(はんよう)品と機能商品をうまくバランスさせる」(山本寿宜社長)考えだ。このほか、研究開発では「ライフサイエンス」と「電子材料」「環境・エネルギー」の3つを重点分野に掲げた。