昭和電工は9日、送電システムや電車に用いるパワー半導体の基板材料「炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウエハー」の生産能力を増強したと発表した。同ウエハーの中でも、独自開発した高機能品を増産する。量産するのは、同社が「ハイグレードエピ」と呼ぶSiCウエハーの高機能品で、結晶基板に生じる欠陥を大幅に減らしたのが特徴。歩留まりが向上するほか、信頼性や低コスト化にもつなげられるという。同社は今回の製品を昨年10月に開発、パワー半導体メーカーなどにサンプル供給してきた。引き合いが活発なことから、秩父事業所(埼玉県秩父市)に生産ラインを追加し、このほど月産能力を1000枚から3000枚に高めた。投資額は明らかにしていない。