
トヨタ自動車が約4年ぶりに改良したスポーツ車「86」を披露するチーフエンジニアの多田哲哉氏=7月5日、静岡県小山町の富士スピードウェイ【拡大】
【クルマ人】トヨタのチーフエンジニア多田哲哉氏に直撃インタビュー
トヨタ自動車はスポーツ車「86(ハチロク)」を約4年ぶりに改良し、8月1日に発売する。エンジンの吸排気部品を改良し、低速域でも力強さを発揮するなど「走り」を追求。車体先端部(ノーズ)を下げるなど外装も変更している。チーフエンジニアを務めたスポーツ車両統括部長の多田哲哉氏に狙いを聞いた。
--従来モデルからの進化は
「一番大きいのは、より運転手の思い通りに動くようになったことだ。スポーツ車は操作に対して期待通りに動くことがポイントで、究極の姿はレーシングカーだ。(トヨタが挑戦してきた)独ニュルブルクリンク24時間耐久レースは長く、天候の変化も激しい。完走を目指して鍛えられたことが開発に生きた」
--主な購買層は
「プロジェクトが始まった平成19年は若者のクルマ離れといわれていた。トヨタもいろいろと手を打ったが長続きせず、スポーツ車というクルマの王道に戻る決意をした。24年の発売当初は40~50代が中心だったが、販売店での試乗などが話題を呼び20代などに広がった。いまは20代、30代、40代、50代とほぼ均等で、20代がトップになることもある」