富士ゼロックスの柳川勝彦専務は30日、複合機の海外展開について、主力商品のA3複合機でトップシェアを握る中国での販売拡大や東南アジア新興国市場の開拓を加速する考えを示した。中国では直販営業に加え、現地の大手電子商取引(EC)サイトを活用。東南アジアでは他社に先駆けて直販体制を築き、さらなる成長を目指す。
市場拡大が見込める中国とアジア・オセアニア地域で、複合機、プリンター、デジタル印刷機の売上高シェアで2位以下を大きく引き離し、トップ維持を狙う。
富士ゼロックスの2015年度の海外売上高比率は50%を占める。中国とアジア・オセアニア地域では、A3複合機の稼働台数は11年度比で1・3倍、プリントボリュームも1・2倍に増加。柳川専務は「台数の増加が牽引し、ボリュームもついてきている」と説明した。
中国では、ECの販路を活用したA4複合機やプリンターの販売台数を16年度に12年度比10倍に拡大する計画だ。
東南アジアでは、ベトナムで10年に販売会社を設立し、ミャンマーやカンボジアでも直轄拠点を開設。ベトナムでは11年度合比約3倍の、ミャンマーでは13年度比約4倍の売り上げ成長を目指す。
柳川専務は「円高の影響で厳しいマーケットエリアもあるが、シェアの観点で見れば悪くはない。今後も中国、アジアで伸ばしていきたい」と意欲を述べた。