東ソー、医薬品製造用の分離精製剤の新ラインで生産能力5割増

 東ソーは24日、バイオ医薬品の原料製造などに使う分離精製剤を増産する、と発表した。南陽事業所(山口県周南市)で約50億円をかけて新規の生産ラインを導入し、生産能力を現在に比べて約5割増やす。バイオ医薬品の需要が先進国だけでなく新興国でも増加し、製薬会社が相次ぎ生産を増強しているのに対応する。

 東ソーが増産するのは「トヨパール」の商品名で販売している分離精製剤。主に、培養した抗体から不純物を除くのに使われる。2018年8月に増強工事を完了し、翌年4月に商業運転を始める計画だ。

 分離精製剤の世界市場は約1200億円で、そのうち約6割をバイオ医薬品を含む抗体医薬品向けが占める。

 抗体医薬品向けでは米GEヘルスケアが約8割のシェアを握り、東ソーは3番手グループに入る。

 分離精製剤を含むバイオサイエンス事業では15年度に409億円を売り上げたが、近い将来に500億円まで増やす考え。M&A(企業の合併・買収)も検討していく。