事前にできるだけの準備をしたい。そこで世界のドローンのシェア70%を誇るDJI JAPANのご厚意で、「ファントム4」をお借りし、セッティング方法、基本的な操作を教えてもらった。
この機体は飛行の安定性が非常に高い。「ビジョンポジショニングシステム(VPS)」を備え、フライト中に操縦者がコントローラーから手を離しても、機体は空中に安定する。素人が操縦しても機体が安定しようとしてくれるのだから、すぐれものだ。
ただし、これはGPS(人工衛星を利用した全地球測位システム)などが使える場合だ。そうでない環境下では事情が違う。わずかな風でも機体が動くので、指先で細かく制御する必要がある。自動車でいきなりマニュアル運転を強いられるようなものだろう。風の中でのホバリングは初心者にはキツい。そのうえ、機体の向きが操縦者の向きと異なると、指の操作にはさらに苦労する。
えーっと、ドローンが向こうを向いているから、前進はこうで後進はこうか。あれ、右は、左はこれでいいんだっけ。回転? 上昇? こりゃたまらん。腕と頭の柔らかさが試される。
スムーズなカーブを描いたり、フルスピードでの飛行を楽しんだりすることは、初心者にはまだ先の話。時間が限られる中、機体をゆっくり安定させることに専念した。