
会見するキグナス石油の小塚信一常務(左)とコスモエネルギーHDの桐山浩副社長=21日、東京都千代田区【拡大】
石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングス(HD)と、石油製品などを販売するキグナス石油は21日、資本業務提携したと発表した。コスモが4~6月をめどにキグナス株20%を取得し、3年後をめどにキグナスの給油所にガソリンなどを供給する。コスモは大手5社の中で唯一、石油業界をめぐる経営統合や合併協議とは一線を画してきた“独立系”だが、事業ごとの提携で経営体制を強化し、石油需要減に対応していく。
「業界再編の大きなうねりの中で、エリア別や事業別に提携の門戸を開いている一環。(資本業務提携は)単純な製品の売買だけでなく、もう少し深い関係まで入りたいという意思表示だ」。同日、都内で会見したコスモの桐山浩副社長は、キグナスとの提携の狙いをこう説明した。今回の提携は、コスモが全国に約500カ所あるキグナスの給油所にガソリンや灯油など石油製品を卸すことを軸に進める。
キグナスはもともと東燃ゼネラル石油の関連会社で、現在も東燃から石油製品の供給を受けている。だが、東燃とJXホールディングス(HD)は4月に統合新会社「JXTGHD」という巨大企業を誕生させることになり、ブランド消滅を危惧したキグナスがコスモに話を持ちかけて今回の提携に至った。キグナスの小塚信一常務は「小さいながらも競争力を強化して消費者のニーズに応えていけるような第三極を形成したい」と強調した。