ベルギーの医薬品ベンチャーをアステラスが買収　最大９５０億円、開発力強化

　アステラス製薬は３日、ベルギーの医薬品ベンチャー、オゲダを買収すると発表した。買収額は最大８億ユーロ（約９５０億円）。６月末までに買収を完了し、完全子会社化する。研究開発力の高い企業を取り込み、開発品目を拡充することで、中長期の成長につなげる考えだ。

　オゲダ社は更年期障害によるほてりを治療する薬を開発。買収に伴い、５億ユーロの契約一時金を支払うほか、開発の進捗に応じ最大３億ユーロを支払う可能性がある。アステラスによると、治療法が十分に確立されておらず、治療薬が開発されれば高収益が見込めるという。畑中好彦社長は「患者へ新たな治療選択肢を提供できることを期待している」としている。

　同社では降圧剤「ミカルディス」など、主力薬の特許切れが相次ぐ見通し。買収より新薬の開発品目を拡充、特許切れによる収入減を補う。今後も治療法が見つかっていない分野を中心に品目を拡充する考えだ。