リコー新中計、営業益1000億円以上 自己否定から改革に取り組み

2017.4.13 06:04

中期経営計画について説明するリコーの山下良則社長=12日、東京都千代田区
中期経営計画について説明するリコーの山下良則社長=12日、東京都千代田区【拡大】

 リコーは12日、2017年度を起点とする3カ年の中期経営計画を発表した。複合機やデジタルカメラの市場の成長が鈍化する中、構造改革や成長分野の絞り込みを行い、20年3月期に営業利益で17年3月期見込み比3倍超の1000億円以上の達成を目指す。市場シェアを追求するよりも利益重視に軸足を移し、業績を回復軌道に乗せたい考えだ。

 生産拠点の統廃合を進め、埼玉県八潮市にある事務機器や周辺機器の生産・設計拠点を来年3月に閉鎖することなどを決定。このほか、北米地域でバックオフィスの余剰人員を削減するほか、新製品の複合機に自動的にシステム更新ができる機能を搭載するなどして、サービスエンジニアが顧客を訪問する手間を省く。こうした構造改革により3年間で1000億円以上の財務効果を見込む。

 スマートフォンの普及で赤字が続く個人向けカメラ事業について、12日会見した山下良則社長は「撤退はしない」としながらも、製品ラインアップを縮小する方針だ。一方、人工知能(AI)を組み込んで会議を支援する電子黒板などオフィス向けサービスは拡充させる。

 17年3月期の最終利益は前期比97%減の20億円に落ち込む見込み。デジタルカメラ事業で想定されていた収益が見込めず、約100億円を減損損失として計上することが響く。

 山下社長は「自己否定から改革に取り組み、きっちりと収益を出せる構造に変えていく」と述べた。

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