MRJ、パリ航空ショー展示検討 実機で巻き返し、新規受注の獲得狙う (1/2ページ)

米西部ワシントン州のグラントカウンティ国際空港に駐機するMRJ=3月31日(三菱航空機提供)
米西部ワシントン州のグラントカウンティ国際空港に駐機するMRJ=3月31日(三菱航空機提供)【拡大】

 三菱航空機(愛知県豊山町)は19日、開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」について、6月に開催される「パリ国際航空ショー」で実機を展示する方向で検討していることを明らかにした。実機の展示会への出展は初めて。MRJは1月に5度目の納入延期を発表したばかりだが、世界屈指の航空見本市で存在をアピールし、巻き返しを図る。

 MRJは現在、5機の試験機が完成済み。このうち4機は米国に送られ、安全性を認める「型式証明」の取得に必要な試験飛行に使われている。実機を展示する場合、4機のいずれかになる見通しだ。

 パリ国際航空ショーは、隔年で開催される。米ボーイングをはじめとする航空機メーカーが、デモ飛行などで製品をアピールし、大型の商談がまとまることも少なくない。実機があれば、顧客の航空会社やリース会社に対するアピール度合いが大幅に高まりそうだ。

 一方、5度目の延期理由となった設計の見直しに伴い、試験飛行の時間は2500時間から約3000時間に延びる見通し。このため、試験機を2機追加することも検討している。

 MRJをめぐっては、1月下旬に5度目の納入延期を発表、初号機の引き渡し時期は2020年半ばに2年ずれ込んだ。すでに400機超を受注しているが、約半分をオプション契約が占め、最終確定していない。

顧客側に計画修正の動きも