経営再建中の東芝が、三重県四日市市の半導体メモリー工場を共同運営するウエスタン・デジタル(WD)に対し、事前通告していた通信設備の遮断の判断を保留していることが16日、分かった。半導体子会社「東芝メモリ」の売却で対立し、対抗措置として検討していたが、問題解決のため、協議を続けていく姿勢に転換したもようだ。
東芝は5月3日にWDに書簡を送付し、米国時間15日までに入札に関する「妨害行為」をやめなければ、四日市工場からWDの技術者を閉め出すと警告。東芝の綱川智社長は15日の記者会見で「データへのアクセス制限を16日に判断する」としていた。
WDは米国時間14日に売却差し止めを求める申立書を国際仲介裁判所に提出するなど、両社の対立は泥沼化。決裂が決定的になれば東芝の財務改善計画が狂う懸念もあり、話し合いを続ける意向になったとみられる。