
しばうら鉄道工学ギャラリーに展示された特急列車のグリーン車の座席(右)。“列車”のように連結されたボックスには鉄道関連の書籍が並ぶ=東京都江東区【拡大】
鉄道の黎明(れいめい)期からの歴史が分かる部品や雑誌、文献など貴重なコレクションを見られる「しばうら鉄道工学ギャラリー」が21日、芝浦工業大学附属中学高等学校(東京都江東区)内にオープンした。安倍晋三首相がアベノミクスの目玉として、海外へ売り込むまでに発展した、鉄道の技術・システムやサービスの原点に触れることができそうだ。
中学・高校の校舎内に鉄道資料を展示、公開する施設は全国で初めて。校舎1階の約100平方メートルのスペースには、同大学に個人や企業から寄贈された、鉄道に関する部品など約1900点の中から、部品など500点以上、時刻表や鉄道関係の雑誌、文献など約1400冊が展示された。
1999年に廃止された新潟交通電車線の駅の窓口で使われた「硬券」と呼ばれる厚紙でできた切符をしまう乗車券箱や、阪堺電気軌道の路面電車で使われていた方向幕などが数多く並べられた。
また、国内有数の車両工場として知られるJR西日本鷹取工場(神戸市須磨区)で使われた車両研修資料なども見られる。
同中学高等学校は、戦前の鉄道省(現国土交通省)が設置した「東京鉄道中学」の流れをくみ、創立から90年以上の歴史を誇る。
ギャラリーの運営を担当する山之内義治さんは「日本の産業や技術の発展を支えた鉄道について、その一端をぜひ知ってほしい」と話している。