写真館ではなく、希望した場所にカメラマンが同行する出張撮影サービスが人気だ。家族や恋人との何気ない日常を良質な写真で残したいとの需要があるほか、活躍の場を求めるカメラマンが増えているため。スマートフォンで気軽に撮れる写真とは一味違う、思い出の一枚の残し方に今後も利用が広がりそうだ。
紹介サイトを運営する「アワーフォト」(東京)は、プロやアマチュアのカメラマン約200人が登録し、家族のお出かけや、卒業式などの撮影で出張する。
腕前が分かるよう過去の作品や経歴をホームページ上で公開し、利用者は気に入った相手に連絡して日程を調整できる。価格は50分6480円から。キヤノンマーケティングジャパンが「カメラの良さを再認識してもらう機会」と出資している。
出張撮影サービスを手掛ける「ラブグラフ」(東京)が派遣を受け付けるのは若いカップルだ。国内のほか台湾やハワイなど海外のカメラマンも登録し、毎月計数百組の利用がある。観光案内をしながら写真を撮るサービスも検討中という。価格は交通費別で9800円から。共同創業者の村田あつみさん(25)は「思い出のぜいたくな残し方として若者に定着すればうれしい」と話す。
家族写真などを撮る「ピクスタ」(東京)や婚礼写真に特化した「ファマリー」(同)といった会社もあり、選択の幅が広がりそうだ。