
三菱電機が開発したAI技術は、1本のマイクで同時録音した複数の人間の音声を分離、再生できる=24日、東京都千代田区【拡大】
三菱電機は24日、人工知能(AI)の技術ブランド「Maisart(マイサート)」を立ち上げたと発表した。
AIの音声認識や学習能力の高度化、産業ロボットや車載機器への搭載などを進める。電機、IT業界でAIの技術開発や人材獲得の競争が激化する中、独自ブランドで存在感を発揮し、成長が見込めるAI市場の開拓を狙う。
この日は、報道陣向けにAIや自動運転、すべてのモノをネットにつなぐ「IoT」などの研究開発成果の披露会を開催。AIを活用して、マイク1本で同時録音した複数の人間の音声を分離し、再生する技術を公開した。
2人で90%以上、3人では80%以上の原音再現率を達成。異なる性別や言語でも音声を分離することができ、同時に10人の話を聞き分けたとも伝えられる聖徳太子を連想させる音声認識力をアピールした。将来的には、カーナビゲーション、家電、エレベーターなどの音声認識技術に応用させたい考えだ。
このほか、人間がサポートをしなくても、センサーから得た情報から従来比約50分の1の短時間で自ら学習し、さまざまな機器を制御できるAI技術も披露された。
三菱電機は2017年度にAI、自動運転、IoTなど研究開発費全体で過去最高となる2120億円を投じる計画だ。