□三井物産社長・安永竜夫さん(56)
--今年度から3カ年の新中期経営計画の目標は
「資源価格の高騰を前提とせず、非資源の2000億円を含め最終年度に計4400億円の最終利益を稼ぐ。3年は資源や機械・インフラ、化学部門が稼ぎ頭だが、部門の垣根を越えた4分野を次の成長分野とした。地域ではロシアや南西アジア開拓などもさらに進めたい」
--成長分野の具体策は
「世界的な人口増に食料増産は欠かせない。肥料や農薬など農業資材による生産性向上の提案や畜産などの生産を上げる飼料添加物に商機がある。ヘルスケアでは中間層が増えるアジアの病院運営事業の拡大や糖尿病対策の市場を開拓する。輸送関連は、米トラックリース事業にITを活用し故障防止や最適物流で新たな収益につなげ、自動車向け新素材の炭素繊維の供給網も構築する」
--資本提携するセブン&アイ・ホールディングスと組むリテールサービスは
「もっとも挑戦が必要な分野だ。日本や米国でも拡大する中食市場の商品開発や材料供給などの提案力を追求したい。米国は『ミレニアル世代』と呼ばれる若い世代の新しい消費動向にも対応する」