
23日、会見した東芝の綱川智社長(右)と平田政善代表執行役専務=東京都港区(桐山弘太撮影)【拡大】
経営再建中の東芝が進めている半導体子会社「東芝メモリ」の売却は27日、官民ファンドの産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との契約手続きが28日以降にずれ込む見通しとなった。同日の株主総会までの契約に向けて最終的な協議を進めたが、細かな条件を詰め切れなかった。
日米韓連合は、革新機構、日本政策投資銀行、米ファンドのベインキャピタルなどが出資し、韓国半導体大手SKハイニックスが融資で参加。計2兆円超で買収する計画で、27日も出資額や条件面などで詰めの作業を続けた。
東芝の綱川智社長は「28日までの最終合意は可能」との見通しを示していた。しかし、関係者によると、資産査定の時間も必要で、契約には数日かかる可能性もあるという。
一方、東芝と半導体生産で協業し、売却に反対する米ウエスタンデジタル(WD)は27日、米ファンドとの共同買収を再提案したと発表した。新たな提示は、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と組み、出資ではなく融資などで参画し、独占禁止法に抵触するリスクを抑えた手法での買収方針。枠組みなどの詳細は明らかにしていないが、買収額は日米韓連合と遜色ない水準にしたとみられる。