
東海道新幹線に投入予定の「N700S」の車両内のイメージ(JR東海提供)【拡大】
東海道新幹線がフルモデルチェンジする。新型車両N700Sは、安全性や利便性が向上し、さまざまな編成に対応できるため海外輸出がしやすいのも特徴。開発に当たったJR東海・新幹線鉄道事業本部の上野雅之車両部長(60)は「最新技術を全て盛り込んだ自信作だ」と胸を張る。
N700Sは、地震時に最高時速285キロから自動ブレーキで停止するまでの距離を、最新のN700Aよりも5%短縮した。台車の振動を検知するシステムの機能を強化。「故障の予兆を把握して重大な事故を未然に防ぐだけでなく、輸送の安定性の向上にもつながる」と上野部長。
技術開発により、床下の機器の小型・軽量化が実現。12両、8両などさまざまな編成が可能となり、山陽、九州新幹線や海外の高速鉄道への導入も容易に。
0系から全ての東海道新幹線の車両開発に関わってきた上野部長。「まずは造って動かしてみることが大切で課題も見えてくる。試験車で確認した上で、量産に当たる」と話す。