
越境ECサイト「もしもしJAPAN」を製作するブレインストーミングの社員。今月中の稼働に向けて急ピッチで作業が進む【拡大】
日本製の日用雑貨・食品は品質が高く、中国の消費者から絶大な信頼を得ている。訪日中国人客が大量に商品を購入する消費行動は数年前から「爆買い」と言われ、社会現象となった。ブレインストーミングの植田利枝社長は、まだ爆買いという言葉がなかった2009年に周囲の反対を押し切って、中国向けに日本製品の輸出事業を成功させたパイオニアだ。これまでは卸売り中心だったが、今月中に個人向けの国際的な電子商取引(越境EC)サイトの運営を新たに始める。
日本ブランド強み
まもなく立ち上げる越境ECサイト「もしもしJAPAN」は中国の個人消費者向けに日本製日用品・食品を販売するだけでなく、訪日客向けの美容外科ツアーなどの体験商品も取り扱う。ナショナルブランドのほか地方の特産品もラインアップに加える。
モール出店型店舗を除くと、幅広い日本製日用品を対象とする中国の越境ECサイトは10に満たない。しかも経営者はほとんどが中国人だ。植田社長は中国にサーバーを配置、保税倉庫に商品を在庫しておき、現地の宅配業者が消費者へ届ける仕組みを作り上げた。
すでに中国で卸売業を手掛けてきたことから、仕入れルートを確立しており、他社に比べて価格競争力に強みがあるという。偽物が横行する中国市場で、「日本人であることをブランド化することが有効だ」と考え、日本人による経営という信用力を前面に出すために現地法人名を「上海植田利枝貿易有限公司」、ECのURLもwww.rie-ueda.comとした。