アサヒグループHD、小路社長が語る 欧州事業買収で海外を「成長エンジン」に (1/2ページ)

アサヒグループホールディングスの小路明善社長=9日午後、東京都墨田区(春名中撮影)
アサヒグループホールディングスの小路明善社長=9日午後、東京都墨田区(春名中撮影)【拡大】

 【トップは語る】

 □アサヒグループホールディングス社長・小路明善さん(65)

 --6月からの酒の安売り規制強化で、ビール類の店頭価格は1割程度上昇した

 「例えば、これまで350ミリリットルの第3のビールが6缶パックで600円以下と、1缶100円を切るような値段で売られていた。水よりも安い値段は異常値だ。今はお客さんが『このくらいの値段だろう』という水準の価格に戻った。モノには適正価格がある。安売りを続ければ産業が弱くなり、企業が脆弱(ぜいじゃく)になれば賃金が上がらない。すると消費者は節約志向になり、デフレに陥ってしまう。メーカーは、一定の価格でも買ってくれるような付加価値の高い商品をつくる意識が必要だ」

 --2017年12月期の連結売上高が初めて2兆円を超え、キリンホールディングスを抜く見通しになった

 「売り上げ規模も大事だが、利益が持続的に成長できるかが最も大事だ。とはいえ、ビールや飲料は装置産業という性格を持っており、工場を稼働させるためには、一定規模の売り上げと成長も必要になる。今後も2兆円という売上高から微増収を目指す方向だ」

 --ビールの国内市場は減少が続く。業界再編は必要になるのか

 「再編については、個人的には消極的だ。再編すれば強制的に社員や商品の削減につながる。再編の前に、業界で協調できるところは協調すべき時期だと考える」

3月に中東欧5カ国のビール事業を買収