日本のゲーム会社がベトナムでRPGを開発して直面した課題と解決法とは (1/3ページ)

左からGIANTYコンテンツ事業部ディレクターの三原龍磨氏、開発部ディレクターのグエンアンバング氏、コンテンツ事業部プランナーの中村蒼氏
左からGIANTYコンテンツ事業部ディレクターの三原龍磨氏、開発部ディレクターのグエンアンバング氏、コンテンツ事業部プランナーの中村蒼氏【拡大】

  • 日本側で中村蒼氏、ベトナム側でグエンアンバング氏が開発にあたって行ったやりとりを再現
  • ベトナムチーム運用にかかるコストは日本の2分の1から3分の1という

 日本で企画したRPG(ロールプレイングゲーム)をベトナムで作る。そんな試みに挑戦したのが、ゲーム開発会社のGIANTY(東京都渋谷区)だ。高いスキルを持ちながら、人件費は日本の2分の1から3分の1というベトナムでクリエーターを集め、PCゲーム配信プラットフォームのSteam向けに、「GOKEN」というゲームを10カ月で作り上げ、7月末から提供を開始した。もっとも、完成までには日本とベトナムとで異なるクリエーターの意識をすり合わせ、相手のやる気を引き出すようなマネージメントが必要だった。

 日本側からベトナムへと開発に当たっての注文が出される。「ゾーン1のマップの改善をお願いしたいので仕様書を送ります」。ベトナムからはすぐ「仕様書を確認します」とメールが来る。翌日も同じゾーンについて改善を依頼するが、ベトナム側から「確認します」といった返事とともに、「これは本当に必要な改善なのか?」と疑問が寄せられた。

 どうして同じマップに何度も手を入れるのか。「ゾーン1以外でも同じように改善を求められると、リリースまでに対応できなくなる」という不安がベトナム側にはあった。ここで日本側のスタッフが、ゲームでも導入部にあたる序盤のマップは徹底的に調整する必要があることを、ベトナム側が認識していないことに気がついた。

 8月30日から9月1日まで、横浜市西区にあるパシフィコ横浜で開かれたゲーム開発者向けカンファレンスのCEDEC2017で、GIANTYが「GOKEN」をベトナムで開発した時に起こった様々な問題が明かされた。序盤に対する意識の違いもそのひとつ。日本の開発陣には当たり前のことでも、今回が初体験となるベトナムの開発陣には不思議に映った。以後のゾーンでは修正の繰り返しは起こらないこと、そして「自分たちがやりたいと思っていることを、何のためにやるのか明確に伝える」ことで相手の理解を得て、開発は進んでいった。