石油元売り大手のJXTGエネルギーは27日、室蘭製造所(北海道室蘭市)の石油製品、石油化学製品の生産を2019年3月末で停止すると発表した。同製造所は競争力不足で赤字に陥っており、翌4月からガソリンや灯油を出荷する物流拠点に転換する。JXTGの拠点統廃合は4月の経営統合後初めて。
ガソリンなど石油製品の需要が減少する中、赤字拠点の生産停止や、能力の余剰解消で収益改善を図る。今後は国内11カ所の製油所の統廃合も検討する。
同製造所で働く従業員約230人のうち、物流拠点への転換で約200人は転勤などが必要になる。20年に室蘭市で稼働を計画するバイオマス発電所への配属などを検討し、雇用はできる限りグループ内で維持する方針。生産品目のうち、ガソリンや灯油は他の製造所からの供給で補完する。
同製造所は前身の日本石油精製の製油所として1956年に運転を開始し、99年には日量約20万バレルの原油処理能力があった。需要減少で2014年に原油処理を停止後はペットボトルの原料など化学製品の生産に移行し、韓国のSKグループと共同運営する工場に供給していた。
だが、市場が縮小する中、他の製造所に比べて調達費用が大きいなど競争力不足が響き、赤字に陥っていた。