【ハザードマップ】粉飾決算・担保権設定で信用低下 ラポール/岩崎建商 (2/2ページ)

 2010年12月期には売上高が10億円を割り込み、16年12月期の売上高は6億9818万円に減少。以降も業績不振から抜け出せず、代表者の健康状態悪化や後継者難を抱えていたことから、今年10月に県外同業者へ営業譲渡したうえで、今回の措置となった。

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【会社概要】ラポール

 ▽本社=東京都港区

 ▽設立=1993年2月

 ▽資本金=1億7137万5000円

 ▽負債額=約23億3000万円

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【会社概要】岩崎建商

 ▽本社=横浜市保土ヶ谷区

 ▽設立=1952年7月

 ▽資本金=7200万円

 ▽負債額=3億9627万円(2016年12月期決算時点)

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 〈チェックポイント〉

 ラポールは一時、上場も視野に入れていたが、税金滞納や未払いが相次ぎ、揚げ句に前代表が経営放棄して機能不全に陥った。債権者説明会では粉飾決算、不明瞭な資金流出も取り沙汰されたほか、現経営陣の就任経緯にも疑問が残る。放漫経営の破綻に対し、再生への理解は得られるのか。債権者の目は厳しい。

 岩崎建商は後継者問題を抱え、会社清算と事業譲渡に踏み切った。高齢化社会は企業経営の現場でも深刻な問題。M&A(企業の合併・買収)が市民権を得て事業承継の選択肢は増えたが、余力のあるうちの決断が成否のポイントといえる。跡継ぎや社員らにどうバトンを渡すか。経営者には最後に難しいかじ取りが待ち受けている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)