
大遊協国際交流・援助・研究協会の奨学生は延べ27カ国・地域の372人に上った【拡大】
大阪府遊技業協同組合(大遊協、理事長・平川容志氏)を母体とする公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(理事長・高島洋氏)は10日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で奨学金援助を行う留学生やOB、大学関係者らを招いた親睦交流会を開催した。
冒頭、あいさつで村上昭徳専務理事は、財団の設立時、5人からスタートした奨学生が現在は年間30人、延べ27カ国(地域)の372人にまで上ったと報告するとともに、「日本ではいま、東京オリンピックが開催される2020年には訪日外国人観光客数を4000万人とする目標を掲げており、それに伴い多くの企業がグローバル化の波の中にある」と強調。「日本の企業から留学生へのニーズが高まり、財団が支援する奨学生たちもこの3年間、卒業後の進路に関して85%が日本で就職している。皆の活躍の場がますます広がっている」と述べ、「世界情勢を見るとテロや北朝鮮のミサイル問題など難しい時代ではあるが、だからこそ国際交流が必要だ。将来は日本と母国をつなぐ架け橋となってほしい」と期待を寄せた。
これに続き、大阪の名物料理店「大阪名物くいだおれ」(08年閉店)の柿木道子氏による基調講演が行われた。柿木会長は創業者の次女として生まれ、現在はマスコットである「くいだおれ太郎」を中心としたコンテンツビジネスを行っている。講演では日本の食文化について「外国の方に和食と聞いて何をイメージするか?と聞くと、すしや天ぷら、大阪ではお好み焼き、たこ焼きなどを上げる人が多い。しかし、われわれからすると、それはあくまでも和食というジャンルの中の一品にしかすぎない」と指摘。和食の特徴として(1)だし(2)季節感(3)地域差の3点を上げて説明した。
また、特に大阪を中心に東京、京都それぞれの地域による食の好みの違いなどを歴史的観点からひもとき、「その違いを受け入れ、楽しむことが大切だ」と述べた。
卒業生の体験発表では韓世涛氏(2013年/近畿大学卒業)が登壇。韓氏は現在、ドラッグストアでビューティーアドバイザーを行っている。店舗において日々、接している来店客とのコミュニケーションの中で、大阪独特の人情に触れることが多々あったこと、学生時代に留学生のアルバイト就労について知識不足で苦労したことなど、さまざまなエピソードを披露。自らの経験を振り返りながら、留学生という立場で学ばなければならないこと、勉学に励む重要性を述べるとともに、後輩たちにエールを送った。