旭硝子の子会社、15年から不正納品 検査未実施で大学などに保証書発行

旭硝子の子会社が検査未実施のまま納品していた「遠沈管」
旭硝子の子会社が検査未実施のまま納品していた「遠沈管」【拡大】

 ガラス最大手の旭硝子の子会社が2015年以降、実験や臨床検査に使われる「遠沈管」の一部で、必要な検査項目の一つを実施していない製品を大学や研究機関に納入し続けていたことが10日、分かった。検査未実施のまま計約80の大学などに品質保証書を不正に発行していた。

 旭硝子幹部は共同通信の取材に、保管していたサンプルを検査し、法令違反や安全上の問題はないことを確認したと説明している。ただ学生らが授業で使う可能性もある製品での不正は重く、ずさんな品質管理への批判は免れない。顧客に説明を始めるとともに、弁護士を交えて実態調査に乗り出した。

 問題が見つかった遠沈管は、遠心分離機で使われる試験管で、全額出資子会社のAGCテクノグラス(静岡県吉田町)が「IWAKI」ブランドで手掛ける。容量や素材の違いから20種類ある。

 AGCテクノ社は05年から独自の規定に基づき、実験に影響するDNAの分解酵素が製品に含まれていないかを定期検査で確認していたが、15年2月に必要な試薬を入手できなくなったため検査未実施のまま出荷。顧客には分解酵素は混入していないと説明していた。

 旭硝子は昨年末に問題を把握した。AGCテクノ社は昨年12月27日付でホームページ上に「深くおわびする。品質保証体制を見直す」との謝罪文を掲載した。

 強度や寸法など顧客と約束した仕様に反し、昨年から国内製造業の信頼を大きく揺るがしている神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社とは問題の性質が異なるとしているが、AGCテクノ社が不適切な対応を続けた理由などを詳しく調べている。