【商工中金】“ぬるま湯”組織変えられるか 期待される役割は中小企業再建だがノウハウ乏しく多難 (1/2ページ)

 完全民営化が提言された商工中金。解体は免れたが、同社が今後、期待される新たな役割は中小企業の経営再建と事業承継だ。この分野は多くの金融機関が進出したくてもできずにいる難しい事業領域。国の補助金という“ぬるま湯”に漬かり続けた組織が、与えられた4年間で新たなビジネスモデルへと変革できるのか、多難な船出が予想される。

 商工中金が中小企業の支援を行うことになったのは、高い技術を持ちながらも、テクノロジーの進展や環境変化に対応しきれず、苦境に立たされている中小企業が多いからだ。特に後継者問題は深刻で、経済産業省によると、平成37年には70歳以上の経営者が約245万人に上るが、ほぼ半数の127万社で後継者が決まっていない。

 こうした問題に対して、商工中金は解決のための提案を行いながら、新たな融資につなげることが求められる。

 ただ、大手銀行で事業承継などを担当する幹部は「すぐに稼げるようになる簡単な事業領域ではない」と話す。後継者問題や経営の細部まで、経営者に本音で話をしてもらうには普段からの信頼関係が不可欠だからだ。ただでさえ信用を失った商工中金が、こうした関係を構築するのは容易ではない。