VR技術を見学会や商談に ビジネス活用、企業が注目

 仮想現実(VR)の技術をビジネスに活用する取り組みが広がっている。ゲームなどの娯楽で普及が進む中、臨場感のある360度の立体的な映像体験に多くの企業が着目。見学会や商談、観光などに積極的に取り入れている。

 大和ハウス工業は2月下旬、一戸建て住宅やマンションをVR映像で「内覧」できる小型店舗を神奈川県藤沢市の商業施設に設ける。顧客が専用ゴーグルを着けるだけで済むため、実際に現地まで行く必要がないのが利点だ。「気軽にいろいろな物件を確認できて商談の活性化につながる」(同社)という。

 積水ハウスは1月から、天井の高さや間取りなど顧客の希望を反映させた一戸建て住宅の完成イメージを、VR映像で見られるサービスを全国約400カ所の展示場に導入した。リビングへの光の入り具合なども示すことで臨場感を高めた。

 関西電力は昨年8月から福井県の大飯原発でVRを使った見学会を始めた。原子炉格納容器や使用済み核燃料プールなど普段は見られない場所の映像に加え、防潮堤といった原発の安全性を高める対策についても詳しく紹介している。

 参加者に好評だったため、今年1月からは美浜原発(福井県)でも導入した。担当者は「美浜ではVR特有の映像酔いを減らし、設備の規模感も分かりやすくした」とアピール。今後、高浜原発(同県)への導入も検討しているという。

 近畿日本ツーリスト関西(大阪市)は世界遺産の姫路城(兵庫県姫路市)で、今夏をめどにVRを使った有料サービスを始める予定だ。3月から担う管理運営業務の目玉として、空撮映像や築城当初の様子を再現した映像を制作し、城の新たな魅力を観光客に訴える。