【Sakeから観光立国】酒蔵ツーリズム推進、活動2年目の成果報告

観光庁の成果報告会での酒蔵ツーリズムの報告
観光庁の成果報告会での酒蔵ツーリズムの報告【拡大】

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 観光庁の2017年度「テーマ別観光による地方誘客事業」成果報告会が2月27日に都内で行われた。筆者が運営委員を務める任意団体「日本酒蔵ツーリズム推進協議会」も支援継続の6テーマに選ばれ、2年目の活動と成果を報告した。

 このほかの5テーマは「エコツーリズム」「街道観光」「寺社観光 巡礼の旅」「明治日本の産業革命遺産」「ロケツーリズム」。支援1年目の事業は「アニメ」「古民家」「サイクルツーリズム」「ご当地マラソン」「全国巡礼文化発祥」「忍者」「百年料亭」-など多岐にわたる。

 この事業による支援は最長3年間まで。毎年事業を精査しながら支援額を減らし“自走”を促す仕組みとなっている。

 報告会では、観光庁の米村猛観光地域振興部長の開会挨拶に続き、13テーマの取り組み報告があり、5人の有識者と同庁から質問や意見が出された。

 同庁によると17年の国内延べ宿泊者数は、日本人が前年比0.7%減の4億2019万人泊。一方、外国人は同12.4%増の7800万人泊と調査開始以来の最高値を更新した。

 都道府県別の外国人宿泊数は、東京都の1903万人泊をトップに、100万人泊以上は14都道府県、最下位から12県はまだ20万人泊未満にとどまっている。ただ、外国人の伸びを比べると三大都市圏で前年比10.2%増、地方部で同15.8%増と地方部の伸びが三大都市圏を上回る。地方部のシェアは調査開始以来初めて4割を超えるなど、国をあげての施策が効果を上げつつある。

 地方への誘客は人口減少を補い経済効果を高める。同庁が多岐にわたるテーマで、地方の魅力を磨き上げていく事業を推進しているのはとても心強い。

 各テーマの報告に対して、有識者から時に鋭い質問があり、いろいろと考えさせられた。テーマが先鋭的過ぎると関係者が限られるし、広すぎると発信が輝かなかったりする場合があるからだ。

 多くのテーマの中で、酒蔵ツーリズムを再考する良い機会だったと感じている。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本ソムリエ協会理事、日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)などを務める。