JR貨物は14日、基本運賃を10月1日に10%値上げすると発表した。値上げは1987年の国鉄分割・民営化で同社が発足して以来初めて。業界で人手不足が続く中、人件費や車両などへの設備投資に資金を確保する。
コンテナで1300キロの距離を運ぶ場合、1トン当たり1万2818円から1万4100円に上がる。実際の運賃は輸送条件に応じて割引や割り増しがあり、個別の交渉となる。
直近で基本運賃を値上げしたのは85年。ただこの時は特殊な車両を使う石油などの輸送だけが対象だった。
田村修二社長は記者会見し、「積極的に技術革新に取り組む」と話した。
トラック運転手の不足や、排ガスによる環境負荷の低減を求める流れから鉄道貨物に対するニーズが高まっており、JR貨物は投資拡大で対応能力を向上させる。
物流業界では人手不足による人件費高騰で宅配便各社を中心に値上げが広がっている。