【遊技産業の視点 Weekly View】改正規則機、早晩市場にリリース


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 □ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 今年2月1日から遊技機に関する2つの国家公安委員会規則が改正、施行されている。内容は依存対策として出玉性能を抑制するというものだ。以前は「ギャンブル性」と呼ばれていたが、現在は業界俗語の「射幸性」という言葉も一般的に使用されるようになってきた。射幸心とは楽してもうけたいと思う欲心のことを指し、それを惹起(じゃっき)させる程度を射幸性と業界は呼ぶ。ただし、射幸性という字義とは離れ、用法としては出玉性能、つまりギャンブル性の高さ、という意味で使われる。

 今回、射幸性が抑制された新しい規則下で、新しい遊技機の型式試験適合が4月から登場した。これらの型式のうちいくつかは既に販売計画が立てられており、早晩、市場にリリースされることになる。

 型式試験を実施するのは一般財団法人保安通信協会(保通協)だ。保通協にとっても改正規則で型式試験を実施するのは初めての経験であり、さらには1月末までの旧規則機の型式試験が駆け込み的に混雑していたため、改正規則機の適合はもう少し先のことだというのが業界側の一般的な想定だった。想定よりも適合がはやかったということは、想定よりも改正規則機が市場にリリースされる時期がはやくなるということである。それは警察庁が昨年まとめて改正された規則の目的実現時期がはやくなるということを意味する。

 今回の改正は、以前にも触れたが4時間5万円という謎の基準が依存対策となるという警察庁の考え方によって実施されている。旧規則機は経過措置が設けられており、完全に改正規則機市場に入れ替わるのは今から約3年後となるが、入れ替わるスピードは改正規則機がリリースされる時期や量にもよる。今のところ、改正規則機のリリース環境は良好ということが言えるだろう。

 現在はぱちんこのみの適合が確認されている。これからはパチスロの改正規則機の適合も待たれるところだ。業界側の期待はむしろパチスロに向けられている。注目であろう。

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【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月から本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。